2009年度大学院生支援プログラムより(4)|『大学院生調査研究レポート』

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2010.06.03|2009年度 |

2009年度大学院生支援プログラムより(4)

「カテゴリー特性に基づいた、メディア選択の基礎研究」その動機と目的

流行の衣料をいち早く低価格で提供する「ファストファッション」が日本の小売業で注目を集めています。衣料品に対するデパートやスーパーでの売上高も下げ止まる兆しが見えませんが、2008年にはスウェーデンの衣料大手へネス・アンド・モーリッツ(H&M)、また、2009年にはアメリカのフォーエバー21が日本市場に参入してきました。このような環境の中、多くの日本企業は苦戦を強いられていますが、独自の戦略で好業績をおさめているのがファーストリテイリングの「ユニクロ」です。

多くの製造小売業が低価格、高回転を目指し類似のビジネスモデル構築を模索するなか、なぜこのような大きな売り上げ格差が生まれ、外資系ファストファッション企業とユニクロの一人勝ちを可能にさせたのでしょうか。

 ・消費者の衣料品における買い物行動にどのような変化が起こっているのか?
・衣料品ブランドとして各社が発信しているメッセージを消費者はどのように受け止めているのか?
・どのようなブランドイメージ形成が購買に至るのか?
・同レベルの商品を提供しているにも関わらず、
特定の衣料品ブランドでの買い物価値が圧倒的に高くなるのか?

といった問題意識をもったことが研究のキッカケとなりました。

そこで、この研究は、「日本のファストファッション業界における
買物価値を分析し顧客満足に至る経緯を明らかにすること」を目的としています。

商品カテゴリーの分類方法

この研究目的を達成するにあたり、海外で積極的に進められている「小売業界における快楽的、功利的買物価値研究」をベースにしました。
本研究では、消費者がより合理的(もしくはロジカル)に購入商品に関する情報処理を行い、購入目的が明確な消費行動での便益を「功利的買物価値」としています。

これとは異なり、購入目的の達成以外の買物経験において、消費者が認知する感情的便益を「快楽的買物価値」としています。これらの「快楽的買物価値」や「功利的買物価値」が消費者の購買態度の形成に対する影響を確認するための調査・分析を行っています。

研究の成果と意義については、以下の2点です。

  ①海外で積極的に行われている小売業界における快楽的、功利的買物価値研究が
国内においても実証可能なモデルであることを明らかにした点。*1

  ②これらの買物価値にブランドイメージがどのような影響を与えるのかを
明らかにした点。*2

  *1モデル構築に際してはCarpenter et al.(2005b)の研究を参考にしました。
*2これについては、松田(2003)の「日本人のブランド?パーソナリティー」分析手法を
参考にしました。

仮説

研究に当たっては、次のような2つの仮説モデルを作成し、H1からH14までの14の仮説を検証する形で研究を進めています。
図:ロシター・パーシー・グリッド

仮説

調査は関東地区に居住する生活者のうち選定した4ブランド(ユニクロ、しまむら、無印良品、H&M)での買い物経験のある生活者1,036人に対して行いました。

【仮説モデル①についての結果】

共分散構造分析によって、欧米で盛んに行われている快楽的、功利的買い物価値研究が国内ファストファッション業界にいても実証可能であることが明らかになりました。
さらに、先行研究ではあらわれなかった「態度的ロイヤルティ」から「顧客シェア」に対する有意なパス(影響)の存在も明らかになった。(H7)
また、多母集団分析をブランド別、性別に実施し、母集団毎にパス間の差が有意となるものが発見されました。

【仮説モデル②についての結果】

適合度指標は概ね統計的に有意なモデルであり、ブランド・パーソナリティが買い物価値に与える影響が存在することが明らかになりました。
但し、ブランド・パーソナリティ指標化のための新たなスケールの開発が望ましいと思われます。



    

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