2011 年度 大学院生支援プログラムより (3)|『大学院生調査研究レポート』

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大学院生支援プログラム

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2012.04.26|2011年度 |

2011 年度 大学院生支援プログラムより (3)

寄付をお願いするときに、どんなことが大切か?

世界遺産である京都の二条城はご存知でしょうか?
このお城は、できてから 400 年以上も経過しており、大規模な改修工事が必要になってきています。改修には莫大な費用と時間を要しますが、そのような資金が簡単に用意できるわけではありません。

そこで「二条城一口城主募金」という寄付運動が始まりました。東日本大震災でもそのような寄付の意味や位置づけがおおいに議論されました。

この研究では皆さんに寄付をお願いするときに、どのような進め方が良いのか?
という点に注目しています。


二条城②.JPGのサムネール画像のサムネール画像
二条城①.JPGのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像



論題:寄付行為の促進のためのマーケティング  ~寄付に関する意思決定に影響を与える要因について~


執筆:同志社大学大学院ビジネス研究科  野原 永臣さん


今回の研究で判明したこと

本稿では、マーケティングの観点から、寄付行為の促進の在り方を検討しています。
 

寄付に関する意思決定に影響を与える要因や意思決定モデルを明らかにし、日本における寄付行為の促進のためのマーケティングの課題として、

 1)経験や社会帰属意識による市場の細分化
 2)消費者の属性に応じた価格決定戦略
 3)寄付行動を喚起するコミュニケーション戦略を検討する実証研究

以上を行いました。


その結果、以下の 7 つの要因からなる「寄付に関する意思決定モデル(図1)」を構築し、一定の適合性を確認しました。
 
  行動意図  :   計画的で意図的な行動の動機
  責任帰属認知  :  自分の責任をどの程度感じるか    
  対処有効性認知  : 行動によって問題がどの程度解決に向かうのかといった有効性判断
  リスク認知  :  関連する問題の深刻さの評価
  実行可能性評価  : 実行することが容易か困難か
  行動に対する態度  : その消費行動に対する肯定、否定の評価
  世間体  :  行動受容(当該行動にコミットしなくても許容される、批判されない)と
                              主観的規範(周りから期待されているか否かなどの社会的圧力の評価)が統合されたもの
 


また、現実や仮想の経験及び現実や仮想の社会帰属意識が、「行動意図」や「責任帰属認知」、「対処有効性認知」、「リスク認知」、「世間体」といった要因に肯定的な影響を与えることに加え、寄付に関する価格や広告の受容性を高めることが明らかになりました。


さらに、現実の経験及び現実や仮想の社会帰属意識がある人の方が、それらがない人よりも寄付に関する広告の影響を受けやすいが、仮想の経験がある人については、そうとは限らないことが明らかになりました。

広告表現については、好かれる広告が態度変容を起こすよい広告であるとは限らないことに加え、画像については、ネガティブがポジティブよりも、消費者の寄付に対する行動意図を高めることが明らかになりました。


今後、寄付に関する意思決定モデルは、日本における寄付金獲得のマーケティングの基盤となるものであり、非営利組織におけるファンドレイジングの改善に寄与するものです。


図1 寄付に関する意思決定モデルのパス解析の結果(χ2=98.383,df=5,P <.001)
分析結果.JPG
 



    

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