2011 年度 大学院生支援プログラムより (2)|『大学院生調査研究レポート』

twitterでシェアするfacebookでシェアするgoogle+でシェアする
ビデオリサーチ オープンカフェ
現在実施中の調査調査にご協力いただく皆様へ今月の数学とっ撮り食堂(仮)M(みんなの)ランキング
その他のメニュー

大学院生支援プログラム

研究結果紹介へ
2012.04.17|2011年度 |

2011 年度 大学院生支援プログラムより (2)

企業と消費者の新しい関係性:価値共創とは?

最近、消費者と企業が手を組んで新しい商品を作っていく・・・という、今まではほとんどなかった新しい関係ができつつあります。これを「価値共創」といいます。

具体的にどのような関係性かといいますと、ひとつは「企業が消費者・生活者と一緒に新しい商品を作っていく」というもの。もうひとつは「希望に合った商品を企業の用意した多数の選択肢から、自分のこだわりで作ることができる」というものです。

前者の例では「セブンプレミアム」が挙げられます。「プレミアムライフ向上委員会」というコミュニティで発言した商品の改善点などが実際の商品に反映されるというもの。後者では「NikeID」が挙げられます。自分の好きな色、ソールなど好みのパーツを組み合わせることによって自分のこだわりを具現化した商品を購入することができるというもの。

2011 年度大学院生支援プログラムの成果第ニ弾は、この「価値共創」が、消費者にとってどのような影響があるのか、企業にとっては具体的にどのようなメリットがあるのかを調査によって確認した研究です。



【価値共創プログラムの例】
ご興味がおありでしたら、各Webサイトから詳細ご確認ください


【脱コモディティ化に向けた意味的価値共創の有効性】

執筆:早稲田大学大学院商学研究科 河野 万邦さん



変貌する消費者

消費者の役割がここ 10 年間で大きく変化しています。これまでは多くの情報を持たなかった消費者が、他者からの膨大な情報を持つようになり従来のような受身の姿勢を捨てて積極性を示し、かつ、消費者相互で結びつきを強めています。互いに結びつくことによって「参加意識」が増してきた消費者が発信する情報は年々増加してきています。

このような消費者の態度変容により、企業は、製品設計、生産プロセスの企画、マーケティングメッセージの考案、販売チャネルの管理などを消費者の介入なしには進めにくくなっています。



脱コモディティ化という課題

このような消費者変化に加え、同じ商品ジャンルの中で製品間の差がほとんど無くなってしまっている(消費者からすると製品はどれもこれも似たようなものに見える)状況があります。これをコモディティ化といいます。

コモディティ化は今日あらゆる産業に拡大しており、決して無視できないマーケット現象です。従来は模倣困難性が高いといわれていたソフトウェア産業においてもこれは進行しており「コモディティ化」への対応が急務です。



本研究の目的

価値共創が有効なことは先行研究でわかってきましたが、消費者研究の立場から、どのようなメカニズムが働いているのかは議論が継続中です。そこで、本研究の目的は
  「消費者との共創によって商品(製品・サービス)の意味的価値が拡大するか。
   これが脱コモディティに有効に影響するのかをマーケティングの側面から考察すること」
としました。



*意味的価値

 誰が見ても明確な機能的な価値などではなく、 消費者個々の主観や好みによって作られる価値(観)。



実施した調査

今回は 2 種類の調査を実施しています。



調査 A

 消費者参加型の商品開発プログラムへの参加経験、又はその商品の
 購入経験のあるを対象として、態度形成への影響度合いを見る

調査 B

 消費者参加型商品開発に関与していない消費者を対象に、実際その
 プログラムを体験してもらいどのような態度変化があるのかを見る
 (興味の薄い人達への影響)



調査の結果から

1. 消費者において購買関与が高い又は中程度の場合、その消費財を対象にした
  価値共創への参加が十分に魅力的である場合は、態度的ロイヤルティにプラ
  スの影響を及ぼす可能性が高い。

2. 価値共創の効果を上げるためには、意味的価値と機能的価値の相乗効果が重要
  である。

3. 商品化プロセスに消費者が参加する価値共創モデルに於いては、
  「こだわり価値の醸成」が強い影響を与える傾向がある。

4. 企業との対等な関係性は消費者が価値共創への参加に魅力を知覚する上で重要
  な潜在因子である。

5. カスタマイゼーション型の価値共創(例:NikeIDなど)への参加によって、
  高関与者のみならず中関与者であっても支払い意思額(その商品について
  支払っても良いという上限の金額)が向上する可能性が高い。
  更に、その価値共創プロセスの完成度によって効果に差が出る傾向がある。

6. 価値共創の未経験者(潜在的新規顧客)であっても、新たに価値共創に参加す
  ることでプラスの態度変容がおきる。



    

視聴率調査・マーケット調査のビデオリサーチがお届けする、コミュニティサイト「ビデオリサーチOpen Cafe」

page top