最近、健康診断受けてないでしょ? 2012 年度 大学院生支援プログラムより(その4)|『大学院生調査研究レポート』

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2013.05.28|2012年度 |

最近、健康診断受けてないでしょ? 2012 年度 大学院生支援プログラムより(その4)

最近、健康診断受けてないでしょ? 2012 年度 大学院生支援プログラムより(その4)

健康診断を受けていないという人が結構多いと聞きます。半分、とまではいかないまでもかなりの人が、
メンドウ、うっかりで受けずじまいのようです。

反面、花粉症やインフルエンザ予防にマスクを常用する人が昔に比べ圧倒的に増えたような印象もあります。

誰にとっても健康が大切、とわかっていながらも健康維持のためにしていることは人によってまちまち。
特に日頃健康をあまり意識しない人に、どんなメッセージを送れば耳を傾けてくれるのか?

2012 年度大学院生支援対象研究の最後はこのようなテーマです。



研究テーマ:健康づくり低関心層におけるコミュニケーション効果
      ~制御焦点理論と解釈レベル理論からのアプローチ~

執   筆:筑波大学大学院ビジネス科学研究科 財満 信子



研究の背景

40 歳 ~ 74 歳を対象にした、メタボリックシンドローム及びその予備群の生活習慣の改善を図ることを目的に実施されている特定健診の受診率は、45.5% にとどまっています(平成23年度推測値)。

対象者の半数強は未受診であり、健康や健康づくりにおける問題意識が低い層(以下低関心層)に対しての情報提供方法に苦慮している現状がうかがえます。健康づくりやその情報提供方法については、過去様々な研究が試みられていますが、この低関心層をターゲットにした研究成果は得られていません。



研究目的

以上のような背景から、本研究は低関心層の特徴に、より最適な状況設定とメッセージの提供を行うのに、解釈レベル理論と制御焦点理論を用い説得効果の高い情報(=健康改善に対する重要性を認識し、望ましい健康行動を選択するためのメッセージ)の提示方法を検討することを目的としました。



編集部ひとくちメモ:【解釈レベル理論とは?】

 

商品を購入する場合に、購入するまでの時間的な余裕によって、商品に対する判断基準や価値観が異なるという理論です。

例えば、車を購入することを想像してください。購入するまでに時間があるうちは、車を購入したらどこに行こうか、こんなことも出来る、あそこにも行きたいな、とか、どの車種にしようか、色は、形はなど、車を購入した時のワクワクする楽しさ、どのような用途で使うかなどイメージを膨らませ、どのようなクルマを購入するかを考えますが、急に車が生活に必要になり、すぐに購入しなくてはならない状況になった場合、ディーラーの場所や態度、その後のアフターフォローや、燃費、性能、金額など具体的かつ現実的な基準でクルマの購入を考える・・・というような事です。



研究の進め方

第一回アンケート

・まず、アンケートを実施して「健康に関心の低い人たち」を集めます。
・その人たちの健康に対する意識が、 「より健康に」という方向の特性(タイプ)を持っているか、
 「病気をしないように」という特性(タイプ)を持っているか
 に分類します。


第二回アンケート

・この 2 種類の人たちにそれぞれ、
  【健康診断は 1 ヵ月後】という設定と
  【健康診断は 6 ヵ月後】という設定をします。
(そういう想定だと思ってアンケートに答えてもらう)

・以下に示す 4 グループにそれぞれ【健康に前向きなメッセージ】と【リスク回避的なメッセージ】を提示します。

1. 「より健康に」タイプ×「健康診断は 1 ヶ月後」
2. 「より健康に」タイプ×「健康診断は 6 ヶ月後」
3. 「病気をしないように」タイプ×「健康診断は 1 ヶ月後」
4. 「病気をしないように」タイプ×「健康診断は 6 ヶ月後」
 

以上の仕掛けをすると、次のように 8 パターンの調査を行うことになります。

健康意識全員低い
健診までの時間設定健康診断まで 1 ヵ月健康診断まで 6 ヵ月
その人の志向性前向きリスク回避前向きリスク回避
表示メッセージ前向きリスク回避前向きリスク回避前向きリスク回避前向きリスク回避


仮説と検証結果

仮説その1

・健康診断まで 1 ヶ月という設定では「リスク回避(悪い結果を受け取りたくない)」
 という気持ちが働き健康改善の意識が高まる

・健康診断まで6ヶ月という設定では「前向き(いまから健康を改善することによって
 将来的に健康で幸せな生活を手に入れることが出来る)」という気持ちが働き健康改善の意識が高まる

検証結果

健康診断までの時間が 1 ヶ月、6 ヶ月ともに「治療が必要な病気にならないように」と「将来的に仕事やプライベートも充実した生活を送るため」という意識が健康改善意識に影響しており、健康診断までの時間の違いに差はなかった。



仮説その2

・健康診断まで 1 ヶ月という設定では上記表の中の「その人の志向性=リスク回避」、
 「メッセージ=リスク回避」の組み合わせが最も健康意識改善に影響する

・健康診断まで 6 ヶ月という設定では上記表の中の「その人の志向性=前向き」、
 「メッセージ=前向き」の組み合わせが最も健康意識改善に影響する

検証結果

上記のような受診までの時間と個人の嗜好性+メッセージ内容の仮説は成り立たなかったものの、前向きまたはリスク回避の両メッセージは健康改善意識を向上させる可能性が示された。



仮説その3

・健康診断まで 1 ヶ月という設定では即効的で一時しのぎの健康改善行動を選ぶ

・健康診断まで 6 ヶ月という設置では労力やコストをかけても生活習慣の根本的な改善となる健康改善行動を選ぶ

検証結果

受診までの時間に関わらず「即効的で一時しのぎ」の健康改善行動はあまり選ばれない結果となった。


 

 

 

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