いまどきのテレビの見かた 2012 年度 大学院生支援プログラムより(その3)|『大学院生調査研究レポート』

twitterでシェアするfacebookでシェアするgoogle+でシェアする
ビデオリサーチ オープンカフェ
現在実施中の調査調査にご協力いただく皆様へ今月の数学とっ撮り食堂(仮)M(みんなの)ランキング
その他のメニュー

大学院生支援プログラム

研究結果紹介へ
2013.04.15|2012年度 |

いまどきのテレビの見かた 2012 年度 大学院生支援プログラムより(その3)

いまどきのテレビの見かた 2012 年度 大学院生支援プログラムより(その3)

最近のテレビはパソコンみたいで、パソコンはなんだかテレビみたいで、さらに携帯電話も画面が大きくなって、スマホだらけ。

日本でテレビ放送が始まって60年。テレビ番組を見るものがテレビ、とも言えなくなり、スマホの中には電話もラジオも雑誌も本も入り、近所のお兄さんが世界に向けて自作動画を発信する・・・そういう時代になりました。
 


さて、大学院生支援第三弾の研究テーマは「いまどきの若者のテレビ視聴」です。最近の若い人たちはテレビをどんな風に見ているのでしょうか? 法政大学大学院の森永さんの研究成果をお楽しみください。
 

研究テーマ:「若年層のテレビ及び PC・スマートフォンにおけるテレビ番組の視聴行動に関する研究」

執   筆:法政大学大学院 経営学研究科 経営学専攻 マーケティングコース 森永 宏二

 

2012_sutudent_support_3_1.jpg
 

はじめに

日本人のテレビ視聴時間量は増加傾向ですが、年齢層別では、若者のテレビ視聴時間量が減少傾向にあり、今後、若者のテレビ離れは続くと推測されます。これまでテレビの視聴行動は、時代背景、技術の発展、人々のライフスタイルの変化という要因により発展、変化しており、テレビの視聴行動を明らかにする研究は、様々なアプローチで調査、分析が行われてきました。しかしながら、現在では、インターネットの普及、通信回線の高速化、動画配信サイトの普及に伴い、技術的に放送局が放送波で行ってきたテレビ放送が、通信による映像配信として実現できるようになりました。また、HDD による大容量録画も可能となっています。

そこで本研究では、若年層がどのようにテレビ、PC、スマートフォンでの視聴への態度形成をしているのか、テレビ番組の視聴に関するモデルを構築し、アンケート調査によって得たデータに基づき、仮説を検証しました。

その結果、以下の知見を得ることができました。

 

1. 視聴行動プロセスの特徴は次の 3 点にまとめることができる。


(1)  リアルタイム消極視聴は、リアルタイム積極視聴と比較して、番組への感情的関与、感情的コミットメント、感情的ブランドイメージがマイナスに影響することが確認され、番組に対する感情的要因は影響していないことが明らかになった。また、個人の価値観のうち私生活を重視する傾向が高いことも見出された。(簡単に言うと、消極的な視聴態度は積極的態度に比べ、番組に対する思いれなどの感情的かかわりが薄いということです。)

(2)録画視聴は、リアルタイム積極視聴と比較して、番組の内容をよく知っている、豊富な知識がある、特徴を理解しているなどの認知的関与がプラスの影響を与えることが判明した。

また、合理的志向がプラスの影響を与えており、録画することで、自分の時間を有効に使いたいという意向が高いと解釈できる。


(3) PC・スマートフォンによる視聴は、リアルタイム積極視聴と比較して、番組露出が多い、企画が国際性に富んでいる、宣伝がおもしろい、長寿番組で実績がある、企画が今までにないといった認知的ブランドイメージがプラスの影響を与えることが明らかになった。番組に対する認知が高まることで PC・スマートフォンによる視聴につながっていくことが明らかになった点は本研究による成果といえる。
(特に「国際性」や「今までに無い」という特徴がある番組で、このような視聴形態が成り立っているというのは興味深いです。)


<用語の解説>

リアルタイム積極視聴:見たい番組をリアルタイムで視聴
リアルタイム消極視聴:時計代わり、家族に付き合って、見たいとも思わなかったがなんとなくそのまま見てしまったなどのリアルタイム視聴
録画視聴:HDD レコーダなどにいったん録画して、自分の都合のよい時間に見た
PC・スマートフォンによる視聴:見逃したテレビ番組(テレビ番組の一部分を含む)を YouTube などの動画サイトで見た
 

2. 特定番組に対する特徴を統計的に明確にすることができた。


長年継続しているバラエティ番組は、リアルタイム積極視聴の傾向が高い。

スポーツはリアルタイムで視聴されている傾向があり、本調査期間に放送された「日本シリーズ 読売巨人対北海道日本ハムファイターズ」は高い関心を持って視聴されたと考えられる。ニュースは当然のことながら録画視聴に向かないジャンルであり、視聴者はニュース番組を流しながら、興味がある話題だけを視聴していることも明らかになった。バラエティ、ニュースは、レギュラー番組として毎日もしくは毎週放送されており、ドラマと比較すると認知的関与、認知的ブランドイメージがプラスに影響することが示唆された。


この研究では、これまでテレビでしか見ることができなかったテレビ番組が、テレビ以外でも見ることができる環境になった現代における視聴行動の要因を明らかにできました。


 

 

 
2012_sutudent_support_3_2.jpg
 

 
2012_sutudent_support_3_3.jpg


    

視聴率調査・マーケット調査のビデオリサーチがお届けする、コミュニティサイト「ビデオリサーチOpen Cafe」

page top