男性の育児休業意識 ~なぜ育児休業取得率が伸びないのか?~2013年度大学院生支援プログラムより(2)|『大学院生調査研究レポート』

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2014.05.16|2013年度 |

男性の育児休業意識 ~なぜ育児休業取得率が伸びないのか?~2013年度大学院生支援プログラムより(2)

今回は2013年度にお手伝いさせていただいた研究の第二弾。
「男性の育児休業」に関する研究成果をご紹介します。
近年、日本でも男性が育児休業をとることが増えてきましたが、それでもなかなか皆さんが取得している
わけではなさそうです。男性の育児休業取得の阻害要因について、「多元的無知」という現象から検討した
研究成果の一部を簡単にご紹介します。

育児01png.jpg

■男性の育児休業における他者からの受容と多元的無知■
          :九州大学大学院 人間環境学府  宮島 健
■研究内容
「男性の育児休業」への態度について「多元的無知」の観点から検討する。
※多元的無知・・・"個々人では違和感を覚える人がいるかもしれないが、「そう思っているのは自分だけ?」
と誰もが同時に思い込み、互いに他人の本当の気持ちについて無知である状態"。
■実施した調査
20代~40代の既婚男性で、夫婦共働きの人に、インターネットによる調査を実施。有効回答908名。
■研究結果(*今回の調査結果にかかわる部分)
【育児休業についての"自分の考え"と"他人の考え"の違い】
 男性の育児休業について、「自分はどう思うか?」「職場の同僚はどう思っているか?」ということを質問。
 男性の育児休業に対して、自分の態度よりも職場の同僚の態度の方がスコアの平均点が低く、職場の
 同僚の態度を自分よりも否定的だと想像する傾向がみられた(Table 1)。

育児1.jpg

非常に肯定的(5点)~非常に否定的(1点)
M・・・平均値、SD・・・標準偏差
有意水準5%で統計的に有意差あり。
【育児休業への職場の雰囲気(空気)についての考えの影響】
多元的無知に陥っている人(男性の育児休業に自分は肯定的だが、同僚は否定的だろうと考えている人)
とそうでない人を比較。
多元的無知に陥っている人ほど、職場の「男性の育児休業を取得は受け入れられない」という雰囲気(空気)
をより強く感じている傾向がみられた。
さらに、その雰囲気を感じることによって、実際に自分自身が育児休業を取得するかどうか判断する際に、
取得意向が弱くなるという影響関係もみられた(Fig 1)。
Fig 1. 媒介分析の結果

育児2.jpg
多元的無知状態・・・多元的無知に陥っているかどうか。
反育休規範知覚・・・「私の職場には、男性が育児休業を取得するのは受け入れられないという雰囲気がある」など3項目。現実としての育休取得意図・・・「今後もし子供が生まれたとしたら、現実としてはあなた自身は
育児休業を取得しようとどの程度思いますか?」の1項目。
以上のように、実際に男性が育児休業を取得するかどうかについては、その男性個人の考えだけでなく、
その人が持つ「同僚の考えや職場の雰囲気(空気)についての想像」も、重要な影響要因になることが
明らかになった。
実際には多くの働く男性が育児休業を肯定的に捉えているにもかかわらず、人々は自分の本心を隠して
(空気を読んだつもりで)周りと同じ行動をとってしまう。それが、男性の育児休業取得率が依然低水準のまま
維持されてしまう一因だと考えられる。



    

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