美術館の運営 ~リピーターを増やすには?~2013年度大学院生支援プログラムより(3)|『大学院生調査研究レポート』

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2014.05.19|2013年度 |

美術館の運営 ~リピーターを増やすには?~2013年度大学院生支援プログラムより(3)

今回は2013年度にお手伝いさせていただいた研究の第三弾。
「美術館の運営」に関する研究成果をご紹介します。
組織を運営していくうえで「マーケティング」は、今やどの企業でもあたりまえのように取り入れられている
活動です。近年では企業以外の学校や病院といった非営利組織でも注目されるようになっています。
しかしながら、非営利組織の中でも美術館においては、まだまだマーケティングが取り入れていないのが現状。
そうした中で、美術館来館者のリピーターを増やすにはどうしたらよいか、ということを検討した研究の成果の
一部を簡単にご紹介します。
Main美術館.jpg


■消費経験とリレーションシップ・コミットメントに基づく美術館への戦略提言■
          :関西学院大学大学院 商学研究科  今北 一那
■研究内容
美術館の運営上の課題である来館者のリピーターの創造について、来館者の美術館関与の観点から
検討する。
■実施した調査
15歳~79歳の全国の男女で、インターネットによる調査を実施。有効回答1,000名。

■研究結果(*今回の調査結果にかかわる部分)
【美術館来館者をグループ分け】
美術館来館者のリピート発生のメカニズムは、複数の要素が絡み合って生じるため、いくつかのパターン
を想定して、次のような要素ごとにグループ分けをした。
「美術館に対する関与(興味や関心のこと)の高低」をベースに、「美術館での過去の経験が与える影響」と
「美術館に対する満足感」、さらにそこから生じる「美術館に対する好意的な感情」、それぞれから考えられる
仮説を複数挙げ、グループ分け。
【美術館に対する関与の低い人と高い人のリピート要因の違いは?】
美術館に対する関与が低い人と高い人の結果は以下の通りで、それぞれの間には差があることが
認められた。
「美術館に対して関与が低い利用者」
過去に美術館を訪れた際に、美術館に「満足」したかどうかがリピーターになるかどうかの分かれ目となる。ただ、美術館を推奨したり、自発的にイベントなどに参加をしたりするといった行為は、「満足」だけ
ではなく、美術館に対する「好意的な感情」がなければ望めない。
「美術館に対して関与が高い利用者」
美術館に対する「好意的な感情」がリピーターとなる決定的な要因となる。これは低関与利用者と異なる
点で、過去に不満足を感じていたとしても、再度訪れたいという意思があることを示している。
 以上のように、美術館の運営では、総じて美術館に対する「好意的な感情」がリピーターを発生させる
重要な要因となることが明らかになった。美術館の展示物は美術の性質上、ポジティブな感情を
引き起こさせるものばかりではない。確かに美術館低関与者には来館時の「満足」を得てもらうことも
重要であるが、全体としては美術館に対する「好意的な感情」をそれぞれの美術館のやり方で来館者に
持ってもらうことが重要だと言えるだろう。


    

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