シャンプー広告での成分のアピールは有効か?  ~2014年度大学院生支援プログラムより(3)|『大学院生調査研究レポート』

twitterでシェアするfacebookでシェアするgoogle+でシェアする
ビデオリサーチ オープンカフェ
現在実施中の調査調査にご協力いただく皆様へ今月の数学とっ撮り食堂(仮)M(みんなの)ランキング
その他のメニュー

大学院生支援プログラム

研究結果紹介へ
2015.05.08|2014年度 |

シャンプー広告での成分のアピールは有効か?  ~2014年度大学院生支援プログラムより(3)

今回は2014年度にお手伝いさせていただいた研究の第三弾。

シャンプーや育毛剤、美白剤の広告表現についての研究成果をご紹介します。

                      

シャンプーや育毛剤、美白剤の広告では、成分や効果、イメージなど、様々なアピールがされています。

皆さんも、ピンときた広告の商品を手に取ったことが何度もあるかと思います。

あるいは、成分などをよく吟味してお買いになっている方も多いかと思います。

どうやら、商品の種類や性別などで、効果的なアピール方法も変わってくるようです。

みなさんは、どのような広告だと買ってみたいと思いますか?

                 

  

成分ブランドの情報提示内容が知覚品質に及ぼす影響

:筑波大大学院 ビジネス科学研究科  徳永 晋一

           

in14-3.jpg

                        

■研究内容

シャンプー、育毛剤、美白剤広告における適切な成分の訴求方法を検討する。

             

■実施した調査

全国の20~59歳男女で、男性は育毛剤使用者、女性は美白剤使用者を対象に、インターネットによる調査を実施した。有効回答800名。

                    

背景

トイレタリー業界における最大の課題は、コモディティー化への対応である。すなわち、価格以外の差別化につながる魅力ある製品作りと、ターゲットに合わせた適切なコミュニケーションの実施である。

代表的なトイレタリー製品をみてみると、シャンプーのように万人が使用する製品もあれば、特定の人が目的を満たすために使用する製品も存在する。一方、製品の中核機能で差別化可能な製品も存在すれば、中核機能ではもはや差別化困難であり、周辺機能で差別化が行われている製品も存在する。それゆえ、成分の訴求方法も状況にあわせて存在すると考えられる。

トイレタリー製品は、通常、多種多様の成分の混合物によって構成されている。そのため、研究開発においては特徴的な機能を有する成分を開発し、それを生かした製品開発、及びコンセプトの付与等が行われる。従って、成分を製品特徴として訴求する事が多い。それゆえ、成分の適切な訴求法について考察する事は、実務においても意義深いと考えられる。

               

研究の目的

本研究の目的は、製品の使用者、関与、差別化の可能性を考慮して、適切な成分の訴求方法を検討する事を目的とする。特に、使用者として男女の差異に注目し、差別化の可能性として成分の機能の重要性(中核機能を担うか、周辺機能を担うか)に注目して検討を行う事を目的とする。

              

仮説

成分の機能と適切な訴求方法の関係について以下の通り仮説を立てた。

【仮説1】成分が製品にとって重要な中核的な機能を担う場合は、成分に関するメッセージの本質的な内容が評価され、そうではない二次的な機能を担う場合は、メッセージの周辺的な手がかりを元に評価される。
                

【仮説2】消費者の製品に対する関与が高い場合には、機能訴求型のメッセージがイメージ訴求型のメッセージよりも広告に対する評価を高くする。一方、消費者の製品に対する関与が低い場合には、機能訴求型のメッセージよりもイメージ訴求型のメッセージの方が広告に対する評価を高くする。

          

【仮説3】成分に関する表現方法に関して、男性はイメージ訴求型のメッセージよりも機能訴求型のメッセージを提示された時に広告に対する評価が高くなり、女性は機能訴求型のメッセージよりもイメージ訴求型のメッセージを提示された時に広告に対する評価が高くなる。

                     
h1.jpg

                  

研究手法

架空のブランドを設定し、アンケートへの関与を高めるために、発売間近の製品についてその意見を元に広告内容を決めるという設定で行った。

評価を行う広告案は、シャンプー、育毛剤、美白剤それぞれについて、

●機能訴求:成分の本質的な機能について説明したもの(中心ルート)。

●権威訴求:成分の機能の説明の代わりに、専門性や社会的な評価の高さを述べたもの(周辺ルート)。

の2通り作成した。合計3回のプレテストを通じて、不自然さや過大な表現がない事、広告案として説得性に差がない事、目的とする内容を訴求できている事などを検証した素材を用いた。

                 

h2.jpg

                  

h3.jpg

【広告案の例(育毛剤)】

           

              

結果

【仮説1】各製品についての広告案(機能訴求・権威訴求)に対する評価を比較した。その結果、育毛剤・美白剤については有意差がなかったものの、シャンプーについては権威訴求に対する評価が高かった。

                 

【仮説2】各製品についての広告の訴求ポイント(機能訴求・権威訴求)と、関与の高低に対する2元配置分散分析を行った。その結果、育毛剤・美白剤については訴求ポイントによる有意差がなかったものの、シャンプーについては、低購買関与群に関して、権威訴求に対する評価が高かった。


【仮説3】シャンプーの広告を男女別に分析することで検証を行った。その結果、複数の評価項目で女性の権威訴求に対する評価が高いことが分かった。

            
g1.jpg

【シャンプーの広告に対する評価】

           
g2.jpg

          

【低購買関与群のシャンプーの広告に対する評価】

            
g3.jpg

【女性のシャンプーの広告に対する評価】

                             

すなわち、

●成分の機能が製品にとって中核機能ではない二次的な機能である場合

●製品への関与が低い場合

●情報の受け手が女性の場合

上記の場合に、周辺ルート(権威訴求)による広告が好意的に受け取られる傾向にあった。



    

視聴率調査・マーケット調査のビデオリサーチがお届けする、コミュニティサイト「ビデオリサーチOpen Cafe」

page top