女性の社会進出と共に学習塾の役割が変わる? ~2014年度大学院生支援プログラムより(4)|『大学院生調査研究レポート』

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2015.06.05|2014年度 |

女性の社会進出と共に学習塾の役割が変わる? ~2014年度大学院生支援プログラムより(4)

今回は2014年度にお手伝いさせていただいた研究の第四弾。

「女性の社会進出と学習塾の関係」に関する研究成果をご紹介します。

政府が国を挙げて「女性の活用」をアピールするなど、今後益々、女性が社会で活躍する場面が多くなることが予想されます。その一方で、女性の母親としての家庭教育機能が低下することにより、子どもの学業達成が低下することを懸念する声も聞かれます。

こうした背景の中、今後、家庭教育機能を補完する役割として需要が高まることが予想される「学校外教育」について、研究成果を簡単にご紹介します。

        

女性の社会進出促進に向けて母親機能を補完する新たな学習塾の役割

:同志社大学大学院 ビジネス研究科 佐藤 秀樹

      院生支援4.jpg

                    

■研究内容

先行文献における定説的な学業達成の規定要因に加え母親の就業状態や家庭教育機能の学業達成への影響を分析することで、母親が家庭において果たしていた役割を明らかにし、その役割の一部を学習塾が補完できる可能性を示す。

           

■実施した調査

首都圏・近畿圏に在住の18歳~22歳の子どもをもつ母親に、インターネットによる調査を実施。有効回答1393名。

                    

■研究結果(*今回の調査結果にかかわる部分)                     

◇家庭教育機能として4つの因子が抽出された

第1因子「人間形成」:家庭を大切にする気持ちや他人に対する思いやり、命を大切にする気持ち、善悪の判断などの基本的倫理観、社会的なマナー、自制心や自立心 

第2因子「生活習慣能力形成」:生活のために必要な習慣を身につけさせる

第3因子「社会的素養」:子どもの豊かな情操、子どものアイデンティティーに影響

第4因子「学校的教育」:勉強を教えるなど、学業達成に向けた家庭での学習支援の働きかけ

                           

◇母親の就業状態と家庭教育機能の一部は子どもの学歴に影響

 銘柄大学合格には、定説の規定要因(親の収入、学歴、教育意識)に加え、母親の就業状態と家庭教育機能の一部である「生活習慣能力形成」が影響を及ぼす。(表1)

※説明変数は子どもが小5、6年時のもの

表1:順序ロジスティック回帰分析 :被説明変数:学業達成(学歴区分) 説明変数:定説要因、家庭教育機能)

4-1.png

◇小学5,6年時の学校成績は最終学歴に影響を及ぼす (表2)

表2:大学進学成果3区分の順序性の確認(3区分間の小学5,6年時成績の平均値の差を検定する一元配置分散分析)

   新しい画像 (8).png


     

◇子どもの小学5,6年時の成績には、定説の規定要因に加え、家庭教育機能の「人間力形成」「生活習慣能力形成」「学校的教育」が影響。ただし、子どもの通塾目的により、影響する家庭教育機能は異なる。

「中学受験を目的とする通塾」をさせる家庭では「生活習慣能力形成」、「学校の勉強を教えてくれる塾」に通わせる家庭では「人間力形成」が有意性を示すとことがわかった。このことは、親の教育意識の違いによって、親が優先的に与える家庭教育機能に違いを生むことを示している可能性がある。また、「高校受験を目的とする通塾」をさせる家庭では「学校的教育」がマイナスに有意性を示したが、このような家庭では小学5,6年時段階ですでに子どもの学習習慣が確立されていた可能性が考えられる。

   

以上みてきたように、子どもの学業達成には、定説とされてきた親の「収入」「学歴」「教育意識」に加えて、「母親の就業状態」が大局的に影響を及ぼしていることが明らかになった。また、「母親の就業状態」「教育意識」の違いによって、家庭教育が持つ機能の中身も異なることがわかった。

「母親の就業状態」が家庭教育機能に影響を及ぼすことから、今後女性の社会進出が進む中で、「学校外教育」が一定の役割を果たしていくといえよう。



    

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