ありきたりな話で恐縮ですが、初めて自転車に乗れたときの感動って忘れられない人が多いのではないでしょうか。
忘れていた人は今、思い出してみてください。
転倒しては起き、転んでは起きを繰り返し、自分はこのままずっと乗れないんじゃないかと悲しい気持ちで家路に着き、枕をぬらしたことはありませんでしたか?
でもある瞬間、それまでの苦労がまるでうそのようにふわっと体が浮き、どこまでもどこまでもまっすぐ走っていくことができた時、新しい世界へ踏み出したような、自分がまったく別の人間になれたような、そんな感動ありませんでしたか?
思い起こせば私が初めて補助なし自転車に乗れるようになったのは、小学校2年生の春でした。当時の自転車の流行は"ドレミ真理ちゃん"、"ドレミアグネス"。(古!なんだかわからない人も多いでしょう) でも私の元にきた自転車は、親が知り合いから譲り受けた古い20インチミニサイクルでした。
当時テレビコマーシャルが流れているような商品を手にできるのは選ばれし一握りの子供だけ。今のようにお友達みんながDSを持っているような時代じゃありませんでした。
でもそんな古自転車でも、嬉しくてうれしくて毎日練習しましたよ。
その頃、家の周りにはまだ舗装道路も少なく、練習は畑の中の一本道。土の小道は程よく踏み固められて、意外と走りやすく、転んだところで畑に突っ込む程度で、今思えば良い練習コースでした。
そしてその瞬間は突然訪れるのです。
今まで感じたことのなかった不思議な浮遊感。「あっ!乗れてる!」一瞬の空白の後、心の中で叫びました。
あの日から30と○年、私はずっと自転車に乗り続けてきました。
しかし、もったいないことにその自転車は、便利でお手軽な移動手段というものだけだったのです。
通学やお買い物や子供の送り迎え。
フツーの人よりはやや多め、多少は楽しんで乗っていたとは思うのですが、でもそれ以上にはならなかったのです。
「それで十分じゃん!」と思われる方も多いでしょうが、それだけじゃ本当はもったいないということに気づきました。
「仲間をつくって一緒に走る楽しさといったら!」
最近になって自転車の新たな楽しみを発見し、この年にしてあの子供の頃のワクワク感やドキドキ感を沢山経験しています。
これからこのコラムでその体験や自転車にまつわる思い、楽しい話、たまに憤りなんかを書いていきたいと思います。
ドレミ真理ちゃん、ドレミアグネス、リンダ困っちゃう・・・
ねこじまんさん
同世代ですね。天地真理、山本リンダはあの頃の物まね定番でしたね。
リンダさんは自転車に乗りそうもありませんが。。