皆さんの町にはヒーローがいますか?
私の住む町、静岡にはいます。この町だけのヒーローが。
多くの方はヒーローなんてものは小さな子供達のもので、大人になってからは縁遠い存在だと思われているのではないでしょうか。他ならぬ私自身もそう思っていました。
でも違ったのです、意外に彼らは身近にいるのです。
私が彼らに気がついたのは、近所の商店街の夏祭りでのことでした。
近くで聞こえる祭りの音に誘われ、何気なしにふらふらと歩いていった先に彼らはいました。
子供達はもちろん、大人達にも囲まれ、ライトアップされて映し出された姿はまさにテレビ番組の中のそれでした。
違うところがあるとすれば、彼らは武器を持たない代わりに楽器を持ち、悪と戦う代わりに歌を歌っているところでしょうか。
彼らの歌には年代を超えて人をひきつける力があるようで、ハードロック調で歌う「サザエさん」や「水戸黄門」、「キャンディキャンディ」などに、およそリアルタイムでは生まれていないであろう小さな子供達が我先にと群がるように熱狂する姿には感動すら覚えました。
前の方の群集に近づいていってみると、ヒーロー達の姿がよく見えました。
子供達は彼らの一挙手一投足に悲鳴にも似た歓声をあげています。
子供達に囲まれヒーロー達は声高らかに歌います。
「笑ってー、笑ってー、笑ってキャンディー♪」
そう歌い上げながらヒーロー達は笑顔で撒き散らします、幾つもの飴玉を。
その飴玉が宙を舞うと子供達の歓声がわっと起こり、また飴玉が宙を舞うと歓声がわっと起こり...
ひとしきり歌い終えると彼らは去り際にカードを配っていきました。
むかし野球選手や、サッカー選手のこういったカードを集めた思い出のある人もけっこういるでしょう。それに似たカードでした。
大人気ないかなと思いながらも、私も恥ずかしながらカードをもらいにヒーロー達のもとへかけよると、彼らはこんな私にも快くカードをプレゼントしてくれました。
いつの時代もやはり赤色は人気のようで、スンプレッドのカードは私がもらいにいった時には既に品切れとなっていました。
次にまた彼らに出会えた時には、まず一番にスンプレッドのカードをもらいにいこうと心に決めました。
皆さん、もし静岡にお越しなるときがあれば、注意深く周囲を見回してみてください。耳を澄ましてみてください。運がよければ皆さんも彼らに会えるかもしれません、爆音戦隊スンプレンジャーに。
静岡営業所 20世紀梨
(注)爆音戦隊スンプレンジャー:
Rock'n Rollで世界の平和を目指す静岡<駿府>発のローカルヒーローで, 静岡県警とのコラボレーションの 「5つのやくそく」「自転車ロック」などの防犯ソングも歌う。
地域商店街納涼夜店市のほか、保育園・幼稚園へも参上しています。
因みに、私のヒーローはガチャピンです。