今回は北アルプスの南西部に位置する西穂高岳(2、909m)をご紹介いたします。奥穂高岳から伸びる痩せ尾根の先にあり、前後に同様の岩峰が連なりスリリングな山行きとなります。今回は新穂高温泉側から西穂山荘-独標-ピラミッドピーク-西穂高岳山頂のコースを取りました。
登山口からは笠ヶ岳がお椀をふせたような特徴ある山容を見せていました。
登山口から樹林帯の中、1時間半の直登で西穂山荘に着きます。山荘までは割と楽に登れるため沢山の登山者で賑わっています。
西穂山荘から丸山を経て独標まではジグザグの登山路です。浮石で足元が悪い急登が続き体力を消耗します。丸山付近から見上げた景色で、右から二つ目の台形の岩場が独標、中央がピラミッドピーク、左端が西穂高岳です。
多くの一般登山者は独標止まりが多く、これから先は厳しいアップダウンと、痩せ尾根の岩場が11箇所も続きます。安全の為、3点確保しようにも足場や手掛かりがなく立ち往生するクライマーを見かけます。
独標より上は、森林限界を超え殆ど樹木はありません。砂礫地の厳しい環境の中、可憐なトウヤクリンドウ(当薬竜胆)が迎えてくれます。緊張と疲れを忘れさせてくれる一瞬です。
幾つもの岩稜や、痩せ尾根を慎重に超え、最後に大きな一枚岩を這いつくばって、滑落しないよう登りきると西穂高岳の山頂です。厳しい山行きの為、独標から山頂まで辿り着く登山者は、二-三割位に減ってしまいます。その分、達成感は格別です。山頂付近は生憎ガスに覆われ眺望は望めませんでした。左側のピークが西穂高岳山頂です。