8月初旬に北アルプス北部、黒部川の東側に連なる山群を縦走してきました。日本海側から見たとき、立山連峰の裏に位置するため後立山(うしろたてやま)連峰と呼ばれています。主な山として白馬岳(しろうまだけ:2932m)、杓子岳(しゃくしだけ:2812m)、鑓ヶ岳(やりがたけ:2903m)、唐松岳(からまつだけ:2695m)、五竜岳(ごりゅうだけ:2814m)、鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ:2889m)があり、3000m級の岩稜帯の縦走路です。また、鑓ヶ岳と唐松岳の間には「不帰の剣(かえらずのけん)」が、五竜岳と鹿島槍ヶ岳の間には、「八峰(はちみね)キレット」があります。この2ヶ所は、高度感のある切り立った岩壁と厳しいアップダウンが続く、日本有数の岩稜の難ルートでもあります。
一日平均9時間前後の歩行時間で4日間掛かるロングルートであり、綺麗な写真も沢山撮れましたので、複数回に分けてお届けします。
Part1は、JR白馬駅から車で30分程度の猿倉(さるくら)登山口から、白馬岳までをお届けします。
猿倉登山口にある猿倉荘は、これから登る緊張した面持ちの人、下山して寛いでいる人で賑っています。
猿倉から約1時間の登りで白馬尻(はくばじり)に着きます。ここから先は日本三大雪渓として有名な白馬大雪渓の始まりです。3キロ以上の雪渓が続いています。雪渓を渡るひんやりした風が気持ち良いです。
今年は残雪が多く、大きく深いクレバスがあちこちで口を開いています。霧で視界不良の時は落ちないように注意が必要です。
2時間程で雪渓を抜けると本格的な登山路になります。今年は残雪が多く、登山路に雪解け水が流れていました。
登山路脇にはお花畑が広がり、高山植物が花を咲かせ、疲れた体と心を癒してくれます。
急な登山路を上り詰めると、最初の宿泊地の白馬山荘が見えてきます。
後立山連峰の最高峰である、白馬岳の勇姿です。山頂直下には白馬山荘と、その下には、白馬岳頂上宿舎、風を避けた窪地にはテン場も見えます。